今日はこんな人達のために最適な本を紹介します。
結論から言うと、SNSの健康的な使用は1時間が目安ですが、90%の人がそれをオーバーしています。SNSは中毒になるように設計されています。中毒症状を理解し、対策をしていく事が重要です。
▼スマホからの具体的な脱出法を書いた記事はこちら▼
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IT企業経営者は自分の商品でハイにならないよう家族をコントロールしている
まず、この本の冒頭で公表されている事実として衝撃的なのが、スティーブ・ジョブズは子供達にiPadを渡していないという点です。デジタルデバイスに大幅な制限をかけているそう。
ツイッター創業者のエヴァン・ウィリアムスも息子2人に本は沢山買い与えているが、iPadを触らせていない。
他のIT業界の大物も子供の教育にはデジタルデバイスを制限するのが、共通の教育法。
SNSやオンラインゲームなど、エンドレスで時間を潰せてしまうサービスには中毒性があるので、やらせないのである。
なぜSNS・オンラインゲームは中毒性があるのか
それは、開発者が中毒性を煽るように作っているからです。
Facebookも登場した時から、様々なアップデートを繰り返し、より中毒になりやすいものに進化しています。大量のデータを集めて、どのような仕組みだとよりユーザーのエンゲージメントが高まるか、より長くアプリを使ってもらえるか分析しているので、年々、依存性が高くなっているのです。
これらはプロフェッショナルな人達が設計しているので、本能通りに行動していたら、抗えません。つまり、スマホ中毒になるのは至極当然。
特に、大人になるまでの幼少期~思春期は、制御しにくく、流されやすい。中毒症状になると、元に戻るのが難しいので、できる限り大人がデジタルデバイスに触れる時間をコントロールしなくてはなりません。
依存症が克服できないのは意志が弱いからではない
ネットショッピング・メールチェック・フェイスブックのチェック・ビデオゲームなど、3日間全く触らせない実験を行った結果、被験者の多くは、「早く触りたい…!」という思いが強くなっていたそうです。
つまり、強制的に退けても、感情をコントロールするのが難しい。それほど、依存性が高いという事です。
アルコール依存症よりも対処し辛い
デジタルデバイス中毒はアルコール依存症よりも対処しにくい。
なぜなら、アルコール依存症は環境を変えたりして、アルコールを生活から完全に遮断してしまう事が可能だが、スマホはそう簡単にいかないからです。
スマホと社会は既に密接に結びついており、今更、「スマホを持たない」というのは難しい。そのため、仕事でスマホを使うときに、ついついうっかりSNSやスマホゲームをやってしまうのです。
ベトナム戦争時にヘロインを吸引したアメリカ人の再発は低かった
ベトナム戦争時にヘロインを吸引したアメリカ人兵士は85%に及びました。ヘロインは薬物の中でも依存率が突出して高く、手を出したら元に戻れない薬物の代表例です。
本国帰還となり、ヘロインがアメリカに蔓延するのを恐れていたが、結果は予想に反して、再発する者はたったの5%にとどまりました。
アメリカ兵はベトナム戦争中の環境下でストレスを抱えながら、熱帯雨林に囲まれて、過ごしていました。その気持ちを解放させるためにヘロインを吸引。つまり、その環境がトリガーとなっていたのです。
アメリカの本土では、ヘロインを吸引するトリガーとなる環境が全くなく、アメリカ人兵は再発を防ぐ事が容易にできました。
スマホ(SNS)中毒から抜け出す方法
今回、デジタル中毒にならないような対策法を3つ紹介します。
①予防はできるだけ早期に
子供達には出来る限り、デジタルデバイスを介さない体験をさせる事を心がける。
9歳まで狼に育てられたという有名な「アヴェロンの野生児」をご存知だろうか。少年は人間に救出された後も、言語能力が完全には回復しませんでした。
つまり、幼少時からデジタルデバイスに依存したコミュニケーションを行っていると、対面でのコミュニケーションが取れなくなってしまう危険性があります。
酒と煙草を子供に与えるのは依存性が高く危険なのと同様に、デジタルデバイスも依存をしないように時間をコントロールすべきである。
それに加えて、子供達にやらせるべきでない理由が本書で2つ述べられている。
1つ目は、「デジタル健忘症」である。恐らく今、スマホを持っている人の多くが経験していると思うが、人の電話番号を記憶できなかったり、漢字を忘れてしまったりする事。
これらは、子供の脳に悪い影響があると主張されています。(まだ、歴史が浅く、完全に否定する程、サンプルや研究結果が集まっていない)
2つ目は、「苦労の摂取効果」が得られない点。苦労の摂取効果とは、苦労しつつ理解する事を指す。上記の例で言うと、家族や友達の電話番号を暗記する事である。
それ以外にも、スマホに依存せず、本から情報を調べたり、スケジュールを管理する事である。これらをする事で脳に考える耐性がつきます。逆にこれを怠ると、本が読めなくなったり、動画やGoogle検索に過度に依存する人ができてしまいます。
②禁煙セラピー方式
禁煙セラピーとは、もしも悪癖を辞めたら、どのようなメリットがあるか考える事&辞めれなかったらどんなデメリットがあるかリストにして考える事です。
スマホやSNS中毒でも、禁煙セラピー方式で抜け出す事ができます。
iPhone(iOS12)の場合、スクリーンタイムが便利。アンドロイド端末の場合は、以下の「Digital Wellbeing」が良いでしょう。
これを利用して、どれくらいスマホを利用していたのかを確認し、その時間を有効利用したらどんな事ができたのか深く考える事が重要です。
しかし、この禁煙セラピー方式は、本人の辞める動機が明確でなくてはならないので、「SNSが好きでやっている!時間が多少なくなっても問題ない」と、結論付けてしまう人には有効ではありません。
③まぎらわせ法
依存症を克服するための1番有効な方法は、何か別の物と入れ替える事です。
例えば、禁煙するために、ガムを噛んだり、害のない電子タバコを利用する事。
スマホを触りたいと思った瞬間に代替できるアイテムを用意しておきます。おもちゃのスマホでもOK。
それでも治らない場合は、「なぜ見てしまうのか」を良く考えた方がいいです。例えば、仕事のためにメールチェックをしてしまう方は、なぜ業務時間外でも頻繁にメールをチェックする必要があるのか問うべきです。
④使わない事を言葉で宣言する
言葉には強いパワーがあります。もしもInstagramを使いたくなったら・・・
このように声に出す事は有効であるという結果があります。これは、ダイエットを行うグループで「私は運動を休まない」&「私は運動を休めない」と声を出して、自身に暗示をかけたところ達成率に驚くべき違いが出たので、デジタルコンテンツ中毒にも効果があると言われています。
⑤環境をデザインする
スマホとの距離は非常に重要です。例えば、寝る前に枕元に置くのはNGですし、重要な事をしている最中に手が届く位置に置いて置くのも良くありません。
出来る限り物理的に距離を置く。必要でなければ持ち出さないなど、出来る限り利用しない環境を作る工夫をして下さい。
まとめ
スマホやSNSは中毒を起こしやすいように設計してあります。そして、これをやめるのはアルコールや煙草をやめるのと同様に大変な事であると認識すべきです。
また、今回は以下のような対策方法を紹介しました。
- 予防はできるだけ早期に
- 禁煙セラピー方式
- まぎらわせ法
- 使わない事を言葉で宣言する
- 環境をデザインする
残念ながら、まだスマホが台頭してから歴史が浅く、セラピストや対策方法の研究結果が十分に揃っていません。しかし、上記の方法は研究結果が出ているので、有効です。
まずは枕元にスマホを置かない事から試してみてはいかがでしょうか?
▼スマホからの具体的な脱出法を書いた記事はこちら▼
SNSへの考え方が変わりますよ!