✓こんなお悩みに回答します。
結論から言うと、ポイントは以下3点です。
- 台湾はお葬式までが長い
- 香典は親族ならば3500~5000元
- 服装はシューズ・ジーンズ・ノースリーブでないトップス
- 台湾特有のタブーあり
- 泣き女やポールダンサーは現代ではあまりない
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台湾の葬儀。服装・香典について
台湾の葬式が終わるまでに注意しなくてはならない点は以下です。
- 「再見」不幸が再び起こるという意味なので禁句
- ノースリーブ・サンダル・スカート・赤い服装・派手なアクセサリーは×
- 親族は髪を切らない・髭も剃らない
- 肉を食べない・お酒を飲まない
- 結婚式に参加しない
服装について
特に日本人にとって服装が心配になると思いますが、台湾は基本的にラフな服装で、心配は不要です。膝をついて拝拝する事があるので、ジーンズを履いていくのがいいでしょう。
上記のように親族は全員黒または白のガウンを身に着けます。肩にはリボンをつけます。親族以外の人も、上記の点に気をつければ問題ないでしょう。
伝統的なのは以下の麻の服になります。
火葬場に居た時、こちらを着ている人の方が多かったです。
香典について
日本の香典にあたる白包(奠儀)を用意します。親族であれば、3500~5000元が相場のようです。書き方についてですが、宗教や地域によって書き方が違うようですので、周りの方に聞くのが得策です。白包は文房具屋・コンビニなどで購入する事が可能です。注意すべき点は奇数にしなければならない事でしょうか。偶数だと、割り切れてしまい、他にも死ぬという意味を連想させるそうです。
伝統的には、この白包は80歳過ぎると、大往生したという意味で紅包になります。
しかし、現代ではその風習を知らない人が多く、80歳以上でも白包で出すそうです。
参考資料:過80歲死亡是要包白包還是紅包
台湾の葬式「泣き女」「ポールダンス」「ブラスバンド」について
日本のテレビや上記の映画「父の初七日」では、「泣き女」「ポールダンス」「ブラスバンド」が登場しますが、これは古い伝統的な風習です。
親戚の葬式に何度か参加した事がありますが、「ブラスバンド」以外は見たことがありません。台湾南部には、より昔の風習が残っているので、あるかもしれません。恐らく都市部で見ることは、ほぼないと思います。
「台湾では、葬式が賑やかであればある程、死者に対する愛情が深い」という記事をいくつか見かけましたが、当方が葬儀社から聞いた話や経験した事を基にすると、必ずしもそうではなく、現代では省略された儀式の方が見ることが多いそうです。
台湾お葬式の費用
これは利用する葬儀社やどこまで伝統的な儀式をするのかで費用は大幅に変わってくると思います。義家族は後述する葬式をあげるのに20万元ほどかかりました。(当方彰化)
住んでいる地域や宗教によっても大幅に変わると思いますので、あくまでも参考として下さい。
台湾の弔電
日本ではお悔やみで「このたびはご愁傷さまでした」と言います。台湾では通常「節哀順變」と言います。弔電に用いる言葉も同じです。
台湾の通夜・葬式・告別式・火葬・納骨までの流れ
亡くなってから、お葬式までの流れを説明します。
①亡くなってから
病院で亡くなった場合と自宅で亡くなった場合で状況が異なります。
病院で亡くなった場合
病院で亡くなった場合、まず、葬儀社に連絡します。合わせて家族全員にも連絡が必要です。会社に居たら、すぐに退社して、家族の元へ向かいましょう。台湾では葬式が長いので、忌引き休暇を7日間程度(会社による)が取得できます。
その後、「死亡診断書」を書いてもらいます。
遺体を自宅に搬送します。(田舎の場合は自宅で都心の場合は葬儀をする場所に直接配送される事になります)
自宅で亡くなった場合
自宅で亡くなった場合、警察に連絡します。ここが病院で亡くなった場合と大きく違う点です。また、死んだ時間をチェックする必要があります。(警察に報告義務があるから)その後、事情を説明すると、「死亡診断書」が警察から発行されます。
病院で亡くなった場合は、病院が発行してくれますが、自宅で亡くなった場合は、警察が調査する必要があるんですね。
②お迎え・安置
お迎えや安置などは葬儀社が全ての作業をしてくれます。
残された家族がやるべき事は8つです。
- 白米に箸を立てる・菜食料理を用意する
→お腹が減らないように - ランプを用意する
→亡くなった方が道に迷わないように - 紙銭(紙のお金)を燃やす
→亡くなった人がお金持ちになり、幸せになるため - 手尾錢を作る
→親族がお金に困らないため - 位牌の用意
→葬儀社がやってくれるが、名前と生年月日の情報を渡す - 仏壇に飾る写真の提供
- 棺に入れる服と靴のセットを用意
- 位牌の横に置く歯ブラシ・タオル・桶を用意
これが全部整うと、親族全員の前で僧侶が読経します。喪服は葬儀社が用意してくれますのでそれを着ましょう。
拜拜は僧侶の方に合わせてすればOKです。
③葬儀の打ち合わせ・段取り
その日の夜、占い師が来て、亡くなった方とその親族の生年月日を元に「葬儀をする日」や「納骨日」を決めます。
この占いによって全ての日程が決まります。
しかし、ここが台湾で葬儀が長くなるポイントでもあります。1ヶ月以上先が葬式日になる事もあります。
最近はいくつか代替え案を出してくれるようなので、その中からベストな日を選ぶそうです。
④死後、8時間後
死後から8時間後、冷凍されている棺に遺体を移します。棺の中は-10℃になっていて、そのままの状態を保存できるようになっています。なぜ、こんなことをするのかと言うと、先の述べたように、台湾は葬儀の日までが非常に長いからです。
台湾の伝統的な葬儀は49日。7日に1度お経をあげるのを7回繰り返します。色々調べたり、葬儀社に聞いてみたのですが、最近はこのような伝統的な葬儀をする人は少なくなって来て、2~3週間で終わらす家庭が増えてきたようです。
最初の8時間で遺体をその冷凍装置付きの棺に入れないのは、死後は身体の感覚が残っているという考えがあるため。
冷凍の棺に入れる際は、葬儀社がエンゼルケアをしてくれます。(化粧・衣装を着させます)
エンゼルケアとは・・・
人が亡くなった後に行う死後処置と、死化粧などをまとめて「エンゼルケア」と呼びます。
葬儀社は遺体をリビングルームに安置します。エンゼルケア後は、紅包にお金を包み手に持たせます。このお金は、亡くなった方の口座からおろして、式が終わった後に親族に配布します。
③死後1週間
死後一週間にもやる事は色々あります。
まず、葬儀の日まで誰かが深夜に棺の横に待機する必要があります。葬儀を行うその日まで、玄関は開けっ放しにする必要があり、その時に、動物(猫)が棺をまたがないようにするためだそうです。
上記の事以外に一週間、以下の事を行います。
- 朝と夕方に拝拝
- 朝と夕方にお供え物用のご飯の用意
- 1日中線香を絶やさずにする事
- 摺元寶・往生蓮花を作る
摺元寶と呼ばれるものをダンボール1箱分作ります。以下に折り方が書いてありますが、恐らく周りの親族の方々が折り方を教えてくれるでしょう。
往生蓮花も折る必要があります。伝統的にはこちらを108個用意する必要があるそうですが、9の倍数(9、18、27・・・)ならいくつでも良いそう。
④7日目
死後7日目には2時間におよぶ儀式があります。(21:00~11:00)
僧侶がお経を唱えるので、僧侶に合わせて拝拝をしましょう。
2時間という長丁場ですので、割と疲れます。しかし、本番のお葬式は12時間におよぶのでこれは序の口です。立ったり、膝をついたり、座ったりと割と動きます。同じ姿勢で2時間というわけではありません。
それが終わると、家の前で、以下をまとめて燃やします。
- 紙のお金
- スーツケース(葬儀社が用意)
- 往生蓮花+1箱の摺元寶
⑤8日目
娘の日と言って、亡くなった方の娘達が僧侶達と祈りをします。
他の親族は特に参加義務はありません。
⑥9日目~葬式前日(最長100日)
この間に6つの事をする必要があります。
- 朝と夕方にお供え物を交換する・拝拝をする
- 亡くなった方の荷物をまとめる ※お葬式の前日に全て燃やす
- 往生蓮花と摺元寶を折る
- 骨を安置する場所に火葬する日を伝える
- 訃報(亡くなった方の兄弟へ)
- 亡くなった方の息子の妻の家族が1人に連絡。
※火葬の日に家に待機してもらう必要があるそう
この期間が長くなるか短くなるかは先に挙げた占い師によって決定します。
うちの場合は、過去数回経験しましたが、毎回2~3週間で終わります。伝統的な風習を踏襲して、お葬式までの期間が1ヶ月以上になるケースもありますが、現代では様々な儀式を省略する傾向があるそうです。
⑦お葬式の1日前
この日までに葬儀を行う場所(自宅で出来る場合は自宅)に大きなテントが張られ、亡くなった方の写真・花・お供え物が運ばれてきます。葬儀の写真はこちらが参考になるかと思います。
この日が一番長い日になります。7:00~21:00の間、お経を聞きつつ、拝拝をします。1時間毎に休憩とお昼と夕方にそれぞれ1.5時間程の食事の時間があります。ずっとぶっ通しで行われるわけではないので、心配し過ぎる必要はありません。
この日の最後に亡くなった方の荷物を全て燃やします。紙のお金と往生蓮花と摺元寶と一緒に燃やし、親族全員で火を見守ります。
⑧葬式・火葬
お葬式は朝の早い時間帯から行われます。ぼくの場合、5:00から葬儀が始まりました。
当日はブラスバンドの方も来ます。故人の功績をたたえたり、葬儀を営む故人の子供の親孝行を表す意味合いがあるそうです。
この日は義祖母の兄弟や親戚など多くの人が来ました。
基本的に、これまでと同様、お経を聞きつつ、拝拝をします。
注意点としては、亡くなった方の兄弟の前では膝と手を地面につけてお辞儀をしなくてはならないところでしょうか。
お葬式が終わると、冷凍棺から火葬用の棺に遺体を移動します。(葬儀社が全て行ってくれます)葬儀社の方がどのようにすればいいか丁寧に教えてくれるので、その通りに行えば問題ないでしょう。
8:00過ぎには出棺が行われました。棺に蓋をして、喪主が棺にくぎ打ちをします。棺は葬儀屋の方々が運んで下さるので、後ろからついて行くだけでした。
火葬場は南投県にある「集集火化場」に行きました。大型バスが自宅に到着しているので、親族全員でバスに乗り、南投に移動です。1時間くらいでした。
火葬場では、納めの式(おさめのしき)があります。これは特別長いわけでなく、同行する僧侶の方が読経をします。
火葬場は、順番待ちになっていて、3時間程待ちました。1日70体を上限として火葬されます。9:00から来た順に火葬が進みます。もしも上限に達してしまった場合は、翌日まで待たなければいけなかったので、当日済んだのはありがたかったです・・・。
ぼくたちは11時に到着して、43番目でした。それでも3時間待ったので、それより後だと更に待つ必要がありますね。
火葬後は、骨の安置所に向かいます。安置所は納骨前までに骨を保管する場所です。占い師が指定した納骨日まで骨を安置する所なので、一時的に骨を保管するだけです。
⑨納骨
納骨は、安置所に骨を取りに行き、納骨所へ向かいます。
台湾の葬儀・葬式の風習・流れ・マナー。まとめ
台湾では、様々な宗教があり、それに加え、日本よりも地域や年代などにより儀式の形態が大きく変わります。今回紹介したのは、葬儀社からの情報・自身の経験・インターネットの情報をまとめたものです。
重要な点や基本的な流れは、大きく誤っていないと思いますので、参考にしていただけると嬉しいです。
不明な点や誤っている点があれば、コメント下さい。加筆するようにします。